The Healing Breath〜 癒しの呼吸

綿本彰氏インタビュー 

Part1:どこまでも追求したクオリティ

今回、アルバムのディレクションを行った綿本彰氏に、アルバムコンセプトや、各曲のこだわりポイントなどをインタビューしてみました。

◆まず最初にアルバムのコンセプトについてお聞かせください。

活字にするとちょっと固くなっちゃうんですけど、「瞑想的なヨガクラスに溶け込み、プラクティスの質を高めてくれる音楽」をコンセプトにアルバムをディレクションしました。

 

と言っても、よくあるBGM的な音楽ではなく、楽曲として何度も聴きたくなるようなクオリティのものを製作したいという想いがあって、そのすべてをPranadaのお二人にドンとぶつけて完成した作品ですね。

◆瞑想的なヨガって何ですか?

自分の思い通りに物事を成し遂げようとする「日常的な取り組み姿勢」ではなく、皮膚の内外から伝わってくる刺激を「ありのまま受け取り尊重する姿勢」でポーズ練習を行うヨガのことです。

 

◆そのコンセプトが、アルバム全体にどう影響を与えているのですか?

すべての楽曲が「ヨガの集中を妨げない」ように配慮をしつつも、シーン毎に必要とされるメンタルを助ける、絶妙な音のバランスを保つようにリクエストし続けました。

曲が主張し過ぎると注意が曲に向かってしまい、逆に沈み過ぎるとメンタルを助ける効果が減ってしまうので、そのあたりのバランスをずっと考えていました。

 

また、聴く人の心を瞑想的な状態に保つために欠かせない「安定感」と「解放感」のバランスにも徹底的にこだわりましたね。

瞑想とは「一切こだわりのない境地」を目指すものなんですけど、それを助ける曲を創るために、徹底的にこだわり抜いてしまった感が半端ないです。(笑)

◆そうすると、楽曲制作はかなり大変だったのでは?

もう大変どころの騒ぎではなかったですね。(笑)

ベースとなる曲を創ってくれる圭吾さんは、どの曲も最初から素晴らしいサウンドクオリティで仕上げてくれましたし、Gumiさんは素晴らしい演奏をしてくれました。

ただ、瞑想的な観点からは、どうしても調整が必要なポイントが生じてしまい、その調整をしてもらうのがかなり大変なプロセスでした……。

きっとお二人(特にありえない回数の調整を行ってくれた圭吾さん)は、「この作業は終わらないかも」という、底知れぬ絶望を何度も感じたと思いますよ。(笑)

 

でも、それを乗り越えて作品を完成させることができたのは、お互いの信頼関係と、共通の目標を達成しようとする強い気持ち、そして、それぞれが自分のプロフェッショナルな部分を妥協なくぶつけ合ったからだと感じています。

The Healing Breath〜 癒しの呼吸

綿本彰氏インタビュー 

Part2:一曲ごとに込めた想い/#01,#02

◆1.呼吸の舞 ~静~

 

この曲は、ヨガクラスの冒頭に行われる「呼吸」の調整、中でも「ヴィンヤサ」をテーマにして創ってもらいました。

 

「ヴィンヤサ」というのは、「呼吸と動作をシンクロさせるテクニック」のことで、例えば、息を吸いながら腕を上げ、吐きながら腕を下げていく動作の反復や、12のポーズを呼吸と共に行っていく太陽礼拝のポーズのことを指します。

 

ただ、このヴィンヤサというテクニック、多くのヨガ初心者の方は、能動的に呼吸しながら、能動的に身体を動かしてしまうことが多くて、このやり方だと「呼吸と動作が調和する感覚」を味わうことが難しいんです。

私が考えるヴィンヤサ、とりわけ瞑想的なヴィンヤサというのは、内側から湧き起こる自然な呼吸を受動的に感じ、その呼吸によって受動的に動かされるというもので、こういったヴィンヤサの反復で瞑想的な感覚、調和の感覚が深まっていくという実感を持っています。

 

そんな瞑想的なヴィンヤサを、見事に音で表現してくれているのが、この「呼吸の舞」です。

安定感と解放感の絶妙なバランスをベースに、のびのびと奏でられるバーンスリーが、自由でありながらもやわらかく穏やかに舞う呼吸を助け、瞑想的なヴィンヤサの深まりを見事に助けてくれていると感じています。

 

と言っても、ヴィンヤサ以外の場面、クラスの序盤や瞑想などで流すことも多く、私としては万能曲、いやそれ以上に神曲と呼んでいます(笑)。

◆2.呼吸の舞 ~動~

 

実はこの曲、最初に創ってもらった時は1曲目とつながっていて、静と動で一曲の『呼吸の舞』だったんです。ただ、ヨガクラスで使わせてもらうという諸事情から、私の強いリクエストで2曲に分けてもらいました。

 

私はヨガをもう25年ほど指導しているんですけど、「ヨガクラスはライブだ」って本気で思っています。もう文字通り「生き物」なんですよね。

講師がその場の空気を感じとり、その流れに応じたポーズ、誘導、声のトーンを変えたりすることで生徒さんがそれに呼応してくれ、その循環で講師も生徒もどんどん感覚の世界に深く入り込んでいくんです。

 

だから流す音楽も、リズムのある曲でパワフルな方向付けをしたい時もあれば、リズムのない曲で柔らかさや静けさに方向付けしたい時もあって……、

なので静と動がつながっていると、曲としては素敵なんだけど、クラスで流すには場に馴染まないことがあって、だから2曲に分けてもらうことにしました。

 

ただ、一般的なヨガクラスでは、導入で柔らかい呼吸を行って、少しずつ運動負荷が増していくので、基本的には続けて流していくと、自然にクラス全体が力強くなっていき、よりパワフルなポーズを行って、日々の生活の中で蓄積した緊張を発散することができると思います。

02_呼吸の舞 ~動~Pranada
00:00 / 01:00
01_呼吸の舞 ~静~Pranada
00:00 / 01:00
 

The Healing Breath〜 癒しの呼吸

綿本彰氏インタビュー 

Part3:一曲ごとに込めた想い/#03,#04,#05

◆3.癒しの呼吸

この曲も1曲目同様、「呼吸」をテーマにした曲です。

美しいメロディと、それをやわらかく包み込むサウンドが、呼吸を深く癒し、心を澄み切った状態へと導いてくれるアルバムタイトル曲です。

 

やはり瞑想的なヴィンヤサに見事にマッチした一曲なんですけど、1曲目が呼吸や身体内面への穏やかな集中を導いてくれるのに対して、この曲では心や呼吸の解放/開放を引き出しやすく、内側から湧きおこる活力に身をゆだね、自由に動く際に適した曲となっています。

 

この曲を実際のクラスで流してみると、受講生の方々の呼吸、というか空気が変わるんですよね。

クラスの冒頭に流しても、ちょっと辛いポーズの後に流しても、どんなタイミングで流しても一気に場の空気がやわらかく開放的になって、生徒さんの呼吸を柔らかく解放し、心の抑制を解きほぐしてくれるんですよね。

 

ちょっと余談なんですけど、この曲は当初、クールダウンにあたる「調整」パート用に創ってもらったんですけど、受講生が深く内面へ集中するそのタイミングに流すには、少々音が弾み過ぎるので没になりかけまして(笑)

あの時は危なかったですね……、

でも同じ曲なんだけど「ヴィンヤサ向け」として捉えてみると最高の曲で、結局この曲がアルバム全曲を通して、最も私のリクエストが入っていない、最初からのトーンのままの曲となりました(笑)。

03_癒しの呼吸Pranada
00:00 / 01:00

◆4.闇を照らす灯

 

ヨガクラスの中盤あたり、ポーズの強度が最高潮に達する「集中」をテーマにした曲です。

 

この曲で最も表現したかったのは「瞑想的な情熱」ですね。

ヨガのクラスって、ある程度深めていくと、どんどん負荷の強いキツめのクラスが気持ちよくなって、全身全霊でハードなポーズ練習を乗り越え、ひと山越えるととぅるんとして無垢になる感じが堪らなくなるんですね(笑)。

 

その際、他のエクササイズ同様に、ノリノリの曲を流してテンションを上げ、タフな難局を乗り越えたくなる時期もあるんですけど、そのやり方だとアウターマッスルばかりが過剰に使われて瞑想的にはならないんですよね。

 

それはそれでとても素敵だとは思うんですけど、そういう時期を経て、めちゃくちゃ辛いシークエンス(ポーズの流れ)なんだけど、心の方はとても落ち着いていて静寂を保ち、内側から穏やかな炎が湧き起こって静寂のまま乗り切れるようになるんです。

そしてそういう体験をすると「これこそがヨガなんだ」って感覚になるんですけど、まさにそういう境地を表現してくれた一曲になりました。

 

ひょっとすると、ノリノリが好きな方には「盛り上がりに欠けた曲」と感じるかも知れませんが、逆にこの曲が最高と感じれるようなポーズ練習の仕方を、ぜひ多くの方に深めていっていただけたらと思っています。

◆5.静寂への帰郷

 

ヨガクラスが一定の盛り上がりを終えた後、多くのクラスでは座位や臥位でクールダウン的なポーズを行うんですけど、私はそのパートを「調整」パートと呼んでいます。

中盤の疲れを取り除いたり、脳の興奮を鎮めたり、呼吸をさらに柔らかくして内面への集中を深めたり……。

そんな調整パート向けに創ってもらったのがこの「静寂への帰郷」です。

静けさの中にも覚醒があり、冴え渡りながらも穏やかさを保った、本来私たちが持っている静寂へと還っていくための一曲です。

 

そして実は、この曲のサウンド調整が、終わらないかもと感じるくらい大変でしたね(笑)。

 

このタイミングで私たちヨガ講師が心掛けるのは、受講生の方々の覚醒を保ちながら内面への集中を深めること。脳の興奮や身体の緊張を鎮めながらも、眠くならないようにしなきゃいけないんです。

 

私たちの脳って、くつろげば眠くなるし、目覚めればすぐに興奮しちゃうんです。だからその両立というか、バランスを助けるために、曲もですが音がとても重要になってきて、圭吾さんを呪いのように苦しめた一曲でした。。。

 

でも、そういう苦しい時期を経て、本当に絶妙なバランスで表現してくれ、このパートで必要とされるサウンドを、見事に作り出してもらえたと感動しています。

まさに彼は「音の魔術師」ですね。

05_静寂への帰郷Pranada
00:00 / 01:00
 
04_闇を照らす灯Pranada
00:00 / 01:00

The Healing Breath〜 癒しの呼吸

綿本彰氏インタビュー 

Part3:一曲ごとに込めた想い/#06,#07、そして皆様へのメッセージ

◆6.心に染む月の光芒

ポーズ練習のクールダウンを終えると、そのままシャバアーサナ(仰臥位でのリラックス姿勢)や坐法でリラックス的な瞑想を行うことになります。

そんな「瞑想」パートの神曲がこの『心に染む月の光芒』です。

 

短くシンプルなフレーズの繰り返しが心の安定を育み、優しく包み込むようなサウンドに導かれ、深い瞑想へといざなわれていく一曲。

 

瞑想的な「こだわりのない境地」へと導くために、思い切り「こだわり抜いた一曲」ですが(笑)、そのこだわりポイントは無数です……。

 

瞑想を邪魔しないで、瞑想をリードすること。

これもう禅問答ですよね(汗)。

 

瞑想の時って心が究極に無防備になりますから、そんな状態でも拒絶を生み出さないように、可能な限り音の"角"を取り除いて柔らかく心に染み入り、包み込むような安定感と安心感を与えながらも、眠くならない絶妙のバランスでバーンスリーが優しく舞う、という感じです。

本当によく表現してくれました。

 

この曲の完成がアルバムを通してが最後になったのですが、陽が昇ったあたりの圭吾さんとのやりとりを経て、このサウンドを耳にした時は感無量でした。

本当に本当に長期にわたる楽曲制作。

Good Job と感謝の気持ちしかありませんでしたね。

 

ぜひそんな瞑想のための神曲を、心がまっさらになった状態で、全身に浴びていただきたいと思います。

◆7.木々の目覚め

 

ヨガクラスでは、瞑想からしっかり「覚醒」することが、日常的な感覚を取り戻して日常に戻っていく上で、意外と重要なパートなんです。

そんな心の目覚めを、これまた見事に表現してくれてたのがこの「木々の目覚め」です。

 

ほぼほぼ最初からこの「朝感」というのかな、ちょっぴりけだるくも澄み切った素晴らしいサウンドでしたが、やはり「覚醒」がテーマの曲ですから、そのための微妙なサウンド調整や、少しずつ全身にピュアな力が漲っていく盛り上がりをリクエストしました。

 

曲中、二回ほど陰調なところに突入しますが、これまた圭吾さんの感性の素敵なところで、ここでは陰調なのにネガティブな印象は一切なく、むしろ目覚めた後の万物への畏敬というか、一つひとつの物事に織り込まれたありがたさというか、そういうものを受け取るには絶妙の展開となっていて、とても気に入っています。

 

ぜひぜひシャバアーサナからの目覚めに、そして日常の目覚めのシーンのお供に、この一曲を取り入れていっていただければと思います。

07_木々の目覚め.mp3Pranada
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◆最後にひと言、この記事をお読みの皆さまにメッセージをお願いします。

 

本当にひと言だけにすると「皆さん、ぜひ買ってください」ですね(笑)。

 

ほとんどの人は知りませんが、私、実は社会人一年目の時は普通にネクタイを締めて営業をやっていたんです。でも、私は営業が大の苦手というか、人に物を売りつけるのが好きじゃないんですよね。

 

逆に「本当に素敵なもの」を作ったり、伝えたりすることは大好きで、だからこそ、これまでも一つひとつの作品、イベント、クラスに全魂をかけて取り組んじゃうんですよね。

そうやって、本当に本当に好きなものができあがると、自然と勧めちゃうんです。それはもう売るとかじゃなくて、好きなものを伝えたいって気持ちなんですよね。

 

あれ、これ「ひと言」の範囲、越えちゃってますか?(笑)

まぁそんなことです。

 

あと「ひと言」だけ加えると、今回のアルバムは「ヨガクラス」をコンセプトにディレクションしましたが、楽曲として見事に素晴らしいクオリティなもんですから、ぜひそれ以外の日常の様々なシーンで聴いて、愛してもらいたいと思っています。

 

最後に、このアルバムを制作するにあたって、全魂を投入してくれた圭吾さん、日々の気が遠くなるような地道な練習を続け、本番ではさらりと素敵な演奏をしてくれるGumiさん、そして素晴らしいジャケットやこのページを根気よく制作してくれたちこちゃんに、マックスの感謝をお伝えしたいと思います。

 

ありがとうございました!

06_心に染む月の光芒Pranada
00:00 / 01:00
 

綿本 彰 / Akira Watamoto

日本ヨーガ瞑想協会 会長。

幼い頃より、父であり、同協会の名誉会長である故綿本昇からヨガを学ぶ。

大学卒業後、インドをはじめ世界各地でヨガや瞑想を学び、帰国後同師に師事しながら1994年にヨガの指導をスタート。 

2003年には、パワーヨガを日本に紹介してヨガブームの火付け役となり、2004年には、ケンハラクマ氏、兄の綿本哲と、アジア最大級のヨガイベント「ヨガフェスタ」を発起。

現在は日本各地、世界各国でヨガや瞑想の指導、指導者の育成にあたるほか、50冊以上の書籍執筆などを通して、メディアなどでも積極的にヨガの紹介を行っている。

The Healing Breath / 癒しの呼吸  

音楽:Pranada 

監修:綿本彰

 

01. 呼吸の舞 ~静~ / The Flowing Breath ~Yin~ 

02. 呼吸の舞 ~動~ / The Flowing Breath ~Yang~

03. 癒しの呼吸 / The Healing Breath

04. 闇を照らす灯 / A Glow in the Darkness

05. 静寂への帰郷 / Return to Silence

06. 心に染む月の光芒 / Moonlight of the Heart

07. 木々の目覚め / The Forest Awakes

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